意地悪な部長と私
「私は…部長を守りたかった。いつも守られてばかりじゃなくて…」

「相原…」

「結局、逃げてきちゃいましたけど」

「バカ野郎。早く逃げて来い。お前は俺が守る。お前に守られてたまるか」


そう言ったあと、部長が優しく

「優愛、愛している」

と、耳元で言ってくれた。


恥ずかしかったけど、初めて部長に優愛って呼ばれて

愛しているって言ってくれた。


それがすごく嬉しくて、私も勇気を出して


「夏夢さん、私も愛してます」

と、小さい声で囁いた。


聞こえているのかわからない。

部長はただ黙って私を抱きしめる。


でも、聞こえていたんだよね?

だから抱きしめる力が強くなったんだよね?


照れているだけだよね?


私、嫌われてなかったんだ…

すごく安心した。
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