意地悪な部長と私
メニューを頼んだあとは、しばらくお互い無言だった。

私はただ、緊張してただけだけど。


でも、頼んだものが届くと緊張など忘れてた。


「ほら、食え」

「いいんですか?じゃあ、いただきます!」


遠慮なく、私はお箸を進めていく。

どれもすごく美味しくて、手が止まらない!


「どうだ?」

「あ、すみません。すっごく美味しくて!」

「だろ?ここは、どれも美味い。その中でもこれは、一番美味いんだ」


と、言いながら部長も食べ始める。

部長が頼んでくれたのは、天丼だった。


えび天、イカ天、アジの天ぷら、ナス天、かぼちゃの天ぷらがのっていた。

しかも、大きくて。


そして、タレも甘いけどアッサリした感じですっごく美味しいの!


「こんなに美味しい天丼、初めて食べました」

「だろうな」


少し嬉しそうな顔をする部長。

なぜ嬉しそうな顔をしたのかは、もう少しあとに理由を知ることになる。
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