意地悪な部長と私
「お前の母親を殺してしまったと言って、お前に会わせる顔がなかったらしい。お義父さんに、死んだことにして欲しいと頼まれたそうだ」


そんな…!

なんでそんなことを…


「平井賢人も死んだと思ってたらしい」

「え…」

「この前、お前の婚約者に会ってきた。そのときに、生きていることを知ってるのはお義父さんだけだと言ってた」


雅留…


「お前に伝言。幸せになれって」

「雅留…」


貴方はどうしてそんなに優しいの?

雅留を恨んだことなんて一度もないんだから、そんな嘘つかなくたっていいのに。


「あの日、ブレーキが壊れていたそうだ。壊れたこと気づいた時には遅かったって言っていた」

そんなことある?


「警察によれば、誰かが壊した形跡があったらしい。彼が言うには、そんなことできるのは平井だけだと」


え?あの人が…?

いや、やりそう。


私にここまでしたんだから。
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