意地悪な部長と私
「私、雅留を一度も恨んだことなんてないよ」

「え…」

「ママは確かに死んじゃったけど、雅留の信号無視だったとしても。恨んだことない。それに、夏夢さんに会うまで私は雅留のことずっと好きだった。雅留以外、誰とも付き合う気なかったの」


そう思っていても、夏夢さんを好きになってしまったけれど。

でも、後悔はしていない。


「雅留には感謝してるんだ!人を愛すこと、愛される喜び、色んなことを教えてもらった。だから…私は、雅留を裏切ったんじゃないかって不安だった」


雅留以外の人を愛してしまったこと。

雅留はどう思っているんだろうって、いつも不安だった。


雅留は私の幸せを一番に願ってくれるって、勝手に思い込んでただけなんじゃないかって。

平井賢人に言われてから、ずっと。


「俺は、裏切られたと思わない。むしろ、恨まれてると思っていた」

「恨んでなんかない!」

「ありがとう。優愛にそう言ってもらえて、少しだけ安心できた」

「雅留…」


雅留をこんな辛い思いさせてるのは、私なんだ。

ごめんなさい…
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