意地悪な部長と私
「これからは、私が家事をしっかりやります!」

「別に無理しなくていい」


優しい夏夢さんだから、何を言っても無駄なのはわかってる。

でも、私がやりたいんだ。

無理してるわけでもなくて。


「無理とかじゃなく、私がやりたいんです。なので気にしないでください」


それに、夏夢さんに片付けを任せるとどうなることか…

任せられないからね。


「わかった。好きにすればいい」

「はい!好きにさせてもらいます!」


好きな人のために家事をする

こんな幸せなことができるなんて、無理なんて思わないよ。


「あ、そういえば」

「え?」


いきなり何かを思い出した夏夢さん。

何を思い出したのだろう?


「平井賢人、捕まったぞ」

「え!うそ!!」


やっと捕まったの?

ほんとに雅留が守ってくれたんだ。


「平井雅留が動いてくれたおかげだ」

「はい、ほんとそうですよね」

「俺がお前を守りたかったけどな」


……はい?

夏夢さんだって、私を…
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