意地悪な部長と私
ボーッとしてた私の頭の上から

「拾ってくれてありがとう」


と、成山さんは告げてどこかへ行ってしまった。


どうして成山さんがあのブレスレットを…

世界で一つしかないはずのブレスレット…


そういえば、空き巣に入られたとき保管場所を見るの忘れてた。

思い出したくない物だったから…


色々考えていると

「おい、相原」

と、部長の声が聞こえる。


私は助けを求めるように部長を見る。

だって、どうしたらいいのかどうしてなのかわからなかったから。


部長なら助けてくれるって、心のどこかで思っていたから。

この頃からきっと、私は部長のことを好きだったんだろう。

気づいてたはずなのに、気づかないフリをしてた。


でも、気づかないフリができなくなっていた。
< 41 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop