意地悪な部長と私
2.

好き

入院してから一週間。

入院中、真田さんや会社の人たち

そしてお姉ちゃんもお見舞いに来てくれた。


部長は毎日のように来てくれていた。

私の好きな物を必ず持って。


そのたび、日に日に気持ちは溢れていく。

【好きだ】って、何度言いかけたことか。


認めてしまうと不思議なことだ。


ずっと傍にいてほしい

笑顔や優しさを他の人には見せてほしくない

私だけを見ていて欲しい

この時間がずっと続けばいいのに

って、欲が増していく。


好きって気持ちはすごい。

欲深くなってしまって、自分が嫌な女になるんでないかって怖くもなってしまう。


「準備できたか?」

「はい、できました」


今日は退院の日。

部長がわざわざ会社を休んで迎えに来てくれた。
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