意地悪な部長と私
「部長…」

「なんだ」


ママ、また勇気を下さい。

ペンダントを握りしめて話し始めた。


「超絶鬼部長」

「悪口か」

「そんな部長のこと、嫌いでした」

「ほう、いい度胸だ」

「でも」

「でも、なんだ」


私は深呼吸をして、勇気を振り絞って

「好きになりました」


と、ちゃんと部長の目を見て言えた。

返事が怖い。

部長が私を好きだと言ってくれたけれど、やはり怖いものは怖い。


部長の返事を待ってるあいだ、目をつぶって待っていた。

大丈夫、って言い聞かせて。


すると、ふわっと部長の匂いがしたと同時に抱きしめられた。


「知ってる」

と、言いながら。


ズルいよ、部長…。
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