意地悪な部長と私
「仕事中だ」

「少しのお喋りくらいいいだろ」

「お前も黙って仕事しろ」


そう言った部長は明らかに機嫌が悪い。

帰ったら怖いなんて思えてしまう。


「相原ちゃん、気にしないでね。アイツ、今虫の居所が悪いだけだから」

「はい」


なんで虫の居所が悪いのかわからない。

てか、なんで真田さんは知ってるのか。


私にはまったくわからない。


はぁ…。

甘い時間は家でだけって分かってるけど、なんか複雑な気持ちだなぁ。


と、思いながらも仕事をこなしていく。

仕事はどれも私でもできる簡単な仕事。


これは、部長の優しさだとは知っていた。

復帰直後だから、簡単な仕事を割り振ってくれたんだと。
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