意地悪な部長と私
「コミュニケーションは大事ですので」

「2人きりで?」

「普段は何人かと来ること多いのですが、今日は相原と2人がよかったので」


え?2人がよかった?どうして?

家に帰れば2人なのに。


「優愛のこと好きなのか?」

……言うしかないか。


「パパ、部長は私の彼氏でもあるの」

「は?付き合ってるのか?」

「はい。娘さんとお付き合いさせてもらってます」

「………」


パパが部長に何を言うのか怖くて仕方ない。

だって、ねぇ。


「優愛、忘れたわけじゃないだろうな」

「忘れてはないけど…まだそんなこと言ってるの?私は絶対嫌だから!」


私には政略結婚をさせようと企んでいたパパ。

それが嫌で家を飛び出し今の会社に就職した。


「許さん」

「パパがなんて言おうと嫌なものは嫌だし、部長と離れることはしない。じゃーね、パパ。部長行きましょう」


私は無理やり部長を連れ出しその場から離れた。

あれ以上いると、次は部長に何を言い出すかわからないから。
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