意地悪な部長と私
平井 雅留(ひらい まさる)

と、急に言う平井部長。


平井雅留…私の婚約者だった人。

どうしてこの人が?


「ふっ。俺、雅留の兄貴」

雅留のお兄さん?


そういえば、兄がいるって聞いたことあった。

挨拶しに行ったとき、生憎留守にしていて会えてなかったけど。


「えっ…」

こんなことってある?


「君だよね?雅留の婚約者って」

「はい…」


どんな顔したらいいの?

思い出す、雅留との過去。


だけど今の私には、部長しか頭にはいなくて…

いや、忘れたわけじゃないしずっと忘れないけれど。


どうしていいのか、わけがわからなくて戸惑う私。

そんな私を他所に、平井部長は話し続けた。


「雅留のこと、まだ好き?」

え?何を言ってる、の?
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