意地悪な部長と私
「ふーん?雅留くんの兄貴ねぇ」


思い立ったら即行動!って思い、あれからすぐお姉ちゃんの家に向かった。

そして今日あったことを細かく説明したところ。


「私、雅留を裏切ったのかな…」

「裏切ってないと思うけど?雅留くんは、誰よりも一番に優愛の幸せを願う人だったでしょ?」

「うん」


でも、これは裏切り行為なんでないか

って、平井部長に言われたときに心のどこかでそう思ってしまった。


「今の優愛は寺島さんが好きなんでしょ?でもそれは、雅留くんを忘れてってわけじゃないのよね?」

「もちろん!雅留のことなんて、一度も忘れたことなんてない。忘れたくても忘れられない」


ママのこともあったから。

ううん、それがなくたって忘れることなんてないよ。
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