幸せとはこの事か
蒼星と姐百音と紅幸くんは中学校も一緒だったが特に話したことは無かったそうで、高校入ってから初めて喋ったらしい。
その中でも紅幸くんはその地区の中で1番遠い場所に住んでるらしい。
私と同じで私の地区の中で私が1番遠い。
だから、私の家に向かへば向かうほど私たちを見かける同級生は少なくなる。
だから自分たちがしてることの悪さを後ろ指さされて言われることもない。
家に着いて、リビングに招く。温かいココアを入れて2人でソファに並んでかける。
しばし無言だったが紅幸くんから聞かれる。
紅幸「…両親は?」
おきな「…今なんだっけな、お父さんは単身赴任?でお母さんが出張?だったっけな。もう1ヶ月くらい姿見てないな。いつものことだから気にしないでね」
紅幸「そ…か。いつものことって。」
おきな「へへ、いつものこと。幼い頃からお父さんとお母さん家にいた事ほとんどないんだ。基本祖父母といた記憶があるの。お父さんは研究員として色んなところに出張だったり単身赴任してたり、家に帰ってきても次の日には会社に行ってまた違うところに行くの。だから、行事ごととか誕生日とか直接祝われたことないんじゃないかな。」
紅幸くんは黙って聞いてくれている。
おきな「お母さんは、会社のお偉いさんでバリバリ働いてて、お母さんは出張が多いかな。まあ単身赴任もしてる時あるけど。お父さんと一緒でほとんど家にいない。生活費だけ毎回振り込まれてるの。小学校高学年にもなれば両親ふたりとも生きてるのに家にほとんどいないなんて珍しいことで可哀想な子って言われることが多くなったから意地でも一人で家に帰ってお留守番したりお母さんとお父さん人目会いたいから出張から帰ってくる日は遅くまで起きてたり頑張ってたんだけど、結局は報われないよね。起きてたら、早く寝なさいって言われて、おかえりの一言も言わして貰えない。それ以来祖父母に頼るのもやめて、ずっとひとりでお留守番してたんだ。だから慣れてるの。いないことは当たり前だから」
紅幸くんは最後まで黙って聞いてくれていた。
おきな「私、誰かに家庭事情話したの初めてだな」
紅幸「…姐百音…は?」
おきな「知らないよ」
ピンと空気が張り詰める。
おきな「こんなこと言ったらなんで?って言われるかもだけど、姐百音は両親からも愛されて兄弟とも仲良くしてて、姐百音自身も家族のことが大好きだから。私が嫉妬しちゃってあまり言えないんだ。醜いよね。でも、姐百音のことはありえないくらい好きだし、別れたいなんて思わないけど、そういうところで酷い自分がいるんだな…」
誰かに初めて聞いてもらって何故か心につっかえていた物が取れていた。
おきな「ごめんね、重たい話しちゃって」
紅幸「いや、いいよ。俺も一緒だし」
しんと静まりかえる。
その中でも紅幸くんはその地区の中で1番遠い場所に住んでるらしい。
私と同じで私の地区の中で私が1番遠い。
だから、私の家に向かへば向かうほど私たちを見かける同級生は少なくなる。
だから自分たちがしてることの悪さを後ろ指さされて言われることもない。
家に着いて、リビングに招く。温かいココアを入れて2人でソファに並んでかける。
しばし無言だったが紅幸くんから聞かれる。
紅幸「…両親は?」
おきな「…今なんだっけな、お父さんは単身赴任?でお母さんが出張?だったっけな。もう1ヶ月くらい姿見てないな。いつものことだから気にしないでね」
紅幸「そ…か。いつものことって。」
おきな「へへ、いつものこと。幼い頃からお父さんとお母さん家にいた事ほとんどないんだ。基本祖父母といた記憶があるの。お父さんは研究員として色んなところに出張だったり単身赴任してたり、家に帰ってきても次の日には会社に行ってまた違うところに行くの。だから、行事ごととか誕生日とか直接祝われたことないんじゃないかな。」
紅幸くんは黙って聞いてくれている。
おきな「お母さんは、会社のお偉いさんでバリバリ働いてて、お母さんは出張が多いかな。まあ単身赴任もしてる時あるけど。お父さんと一緒でほとんど家にいない。生活費だけ毎回振り込まれてるの。小学校高学年にもなれば両親ふたりとも生きてるのに家にほとんどいないなんて珍しいことで可哀想な子って言われることが多くなったから意地でも一人で家に帰ってお留守番したりお母さんとお父さん人目会いたいから出張から帰ってくる日は遅くまで起きてたり頑張ってたんだけど、結局は報われないよね。起きてたら、早く寝なさいって言われて、おかえりの一言も言わして貰えない。それ以来祖父母に頼るのもやめて、ずっとひとりでお留守番してたんだ。だから慣れてるの。いないことは当たり前だから」
紅幸くんは最後まで黙って聞いてくれていた。
おきな「私、誰かに家庭事情話したの初めてだな」
紅幸「…姐百音…は?」
おきな「知らないよ」
ピンと空気が張り詰める。
おきな「こんなこと言ったらなんで?って言われるかもだけど、姐百音は両親からも愛されて兄弟とも仲良くしてて、姐百音自身も家族のことが大好きだから。私が嫉妬しちゃってあまり言えないんだ。醜いよね。でも、姐百音のことはありえないくらい好きだし、別れたいなんて思わないけど、そういうところで酷い自分がいるんだな…」
誰かに初めて聞いてもらって何故か心につっかえていた物が取れていた。
おきな「ごめんね、重たい話しちゃって」
紅幸「いや、いいよ。俺も一緒だし」
しんと静まりかえる。