幸せとはこの事か
紅幸「おきなちゃん大丈夫?」
あの後みんなから私のせいで負けたのに凄い歓喜を浴びせられた。
おきな「うん、足ひねってかすり傷で済んだしよかった。それより制服ごめんね」
コケてしまったからブレザーが砂だらけになってしまった。破けるまではいかなかったけど汚してしまったことに申し訳なさが出る。
紅幸「気にすんなって。いやー、にしてもおきなちゃん速かったな」
おきな「こう見えて足は自信あるんだよ」
クラスメイトからはあの時
F女「椎名さんすごいね!あの紀伊くんと同じくらい足速いのって」
O男「たしか紀伊って部活に所属してないのにすげぇ運動神経いいから色んな部活から勧誘されてるんだもんな」
おきな「あはは…ありがとう」
紅幸くんに手を貸してもらい立とうとしたが足をくじいていたせいで力を込められなかった。
紅幸「…姐百音呼んでこよっか?」
おきな「流石にこんなことで授業中抜け出させられないよ。立てたら歩けると思うから!」
紅幸「じゃあもう1回、せーの」
勢いよく引っ張られてそのせいで紅幸くんに抱きつくような形になる。
おきな「わっ…ごめんね」
紅幸「いいよ、先生俺のせいでコケちゃったし保健室まで連れていきます」
担任「おーおー、そうしてくれ」
そうして今がある。
保健室には先生がいなくて勝手に用品をもらう。
紅幸「じゃあその座って」
おきな「え、1人でできるよ!」
紅幸「怪我人は大人しく言うこと聞くこと」
おきな「…はぁい」
靴下を脱がされて濡れたタオルで1度拭かれる。
おきな「汚くてごめんね」
紅幸「大丈夫だよ」
優しく拭かれて、テーピングを綺麗に丁寧に巻かれる。
かすり傷も消毒される。
おきな「…っ。やっぱ染みるね」
紅幸「はいっ、これで終わり。絆創膏も綺麗に貼れたし最高」
おきな「ありがとう」
立ってみると固定されているおかげで痛みはあるが歩きやすくはなった。
紅幸「…今日大丈夫?」
おきな「ん…そうだね…割と酷くいってるみたいだからとりあえずリビングで過ごすよ」
紅幸「そっ…か」
おきな「心配してくれてありがとう。教室戻ろっ」
紅幸「うん」
紅幸くんは歩きづらかったら手掴めよって言ってくれた。
優しさに沈む。
< 38 / 59 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop