幸せとはこの事か

スイセン

きっと言ってはいけないってわかってた。1ヶ月間ずっとずっと我慢してた言葉。やっと吐き出せて心が軽くなった。
けど、わかっている。紅幸くんからはちゃんと別れを告げられるって。だから最後に言いたかったのに。
紅幸「俺さ…この1ヶ月。蒼星のためにめっちゃ尽くそうって思ってた」
不意に紅幸くんはこの1ヶ月間の話をしだした。
紅幸「贖罪ってわけじゃないけど、デート行ったり、蒼星の家でお泊まりもした。もちろん親父さんとお母さんも承諾してくれて、部屋は一緒だったけど…蒼星から誘われた。けど、脳裏にどうしてもおきなが離れなくて…蒼星も勇気出したのに断っちゃって。妊娠したら危ないからって嘘ついて断って。蒼星悲しそうな顔してたけど、分かってくれてちゃんと。次の日からも笑顔で昨日はごめんねってしおらしく謝っちゃって。2人でゆっくり進んでいこうって話してるのにずっとおきなが離れなかった。それからも俺初めて蒼星にご飯作ってあげて、美味しいって言ってくれるんだけど、おきなが泣いて喜んでくれたのがずっと離れなかった。俺はおきなとの関係を忘れるためにわざと距離を離したのに俺自身が忘れたくなかった。だから…」
そこまで言ったところで私からキスをした。
私の目からは止まらない涙と、紅幸くんは涙が伝っていてあまじょっぱかった。
おきな「しょっぱいね」
紅幸「泣いてるからな」
おきな「そりゃ泣いちゃうよ」
紅幸「だな」
そう言って紅幸くんからキスをして中に舌を入れてくる。
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