スパークリングJ.A.M
ヒキガネ
親への愛憎
《猿!猿!猿!猿だらけ!
地元が恋しい!
語尾のキーキーがうるさい!》
泣きながら家を出る日々。
だけど、逆境に挫けたくはない。
校門前で一呼吸おいて門をくぐる。
家?
私の家じゃない。
知らないケバい女と
うるさい息子二人の家。
その頃、唯一家族の父は慣れない土地で
仕事探しをしてるのか
朝早く、 夜遅くにしか帰宅することはなかったのです。
どんどん孤立していく私。
九州に来て10日ほど経って知った。
園児と乳飲み子は父親の違う弟だと。
この頃の私はどうしようもない感情に襲われていました。
まるで他人との同居、
その日から<ケバい女>は
<汚い女>へと変わり、耳の中で
憎悪が増幅してゆく音が聞こえた。
父はどうしてこの女とまた生活をしているのだろう。
知りたくもないが
近頃父の私を見る顔は
どこか腫れ物に触るような
雨の日に拾った子犬を見るような
そんな顔をしていた。
もう大阪にいた頃の頼りがいのある
凛としていて尚優しい父ではなかったようにみえた。
また耳の中で何かが弾けた。