白猫王子と俺様黒猫~猫神の嫁なんてお断りですっ!~
「佐助くんって言うのね! っていうか、親戚っ? 白亜くんと黒霧くんっていういとこがいるっていうのに、その子まで!? あんたの親戚は、イケメンしかいないわけ!?」

「あ、いやそういうわけでは……」


 確かに三人は芸能人にもいそうなくらいかっこいいし、実は親戚なんかじゃない。

 いや、だけどね。

 この子達全員、あなたの嫌いな猫なんですけど……。

 なんて言ったら面白いだろうなって思ったけれど、もちろんそんなこと言えるわけないので、私は「あ、えーっと……」と要領のない言葉しか言えない。

 すると痺れを切らした愛羅が、佐助の方へと詰め寄ってきた。


「私愛羅って言いますぅ! 佐助くん、よろしくね!」

「ひっ!」


 鼻息荒く迫る愛羅が、とても恐怖だったのだろう。

 佐助は小さく悲鳴を上げると、一目散に走り出した。

 しかも、猫のように四つ足で、恐ろしいくらいに早く。

 げ、やばい。

 あの走り方は、人間じゃあり得ない!

 もう少しで人間から猫に戻るはずだから、ほとんど戻りかけだったのかな?

 あ、愛羅が変に思っちゃう!


「あの走り方はっ!?」


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