白猫王子と俺様黒猫～猫神の嫁なんてお断りですっ！～

　でも愛羅の激しさとは全然種類が違うからか、黒霧は引いているみたいだ。


「まあいいじゃん。なんか面白そうな子で」


　白亜が余裕そうに言う。

　かくいう私も、別に愛羅のことは嫌いってわけじゃないんだよね。

　幼稚園の頃から長い間ずっと関わっているせいで、変な言いがかりをつけられても憎めないようなポジションになっている。

　そんな会話している私たちの足元に、佐助が「にゃーん」と鳴いてすり寄ってきた。

　愛羅には恐怖を感じていた佐助だったけれど、彼女が去ったことで気持ちが落ち着いたようだった。

　佐助は私たちを機嫌良さそうに見上げていた。

　なんだか、「ありがとう」って言われているような気がした。


「華ちゃんのこと、一緒に応援しようね」


　そう言いいながら私は、佐助の小さな頭を撫でる。

　佐助は気持ちよさそうに目を細めて、ゴロゴロと喉を鳴らした。