白猫王子と俺様黒猫~猫神の嫁なんてお断りですっ!~
ドタバタの日々はまだまだ続く
「枝乃! 猫神候補様! お、黄金の猫じゃらしがっ!」
白亜、黒霧、佐助と一緒に猫屋敷神社に戻ってくるなり、血相を変えた様子のお父さんがそんなことを叫びながら近寄ってきた。
「お、お父さん?」
「黄金の猫じゃらしがなんだって?」
「何かあったのか?」
お父さんの様子に、口々にそんなことを言う私たち。
お父さんは、我が猫屋敷神社の宝具である黄金の猫じゃらしを、宝具用の金色の座布団の上に乗せて持っていた。
そんな大層に扱わなくっても……。
黄金の猫じゃらしつったって、錆びついていて汚い感じだったじゃん。
と思った私だったけれど……。
「え、なんか光ってる!?」
前に見た通り、黄金の猫じゃらしは錆びた汚い色をしていた。
だけど、全体が淡くどこか神々しい光を放っていたので、私は目を丸くした。
「そ、そうなんだ枝乃! いつものように本殿を掃除していたら、これが光っていて……。ね、猫神候補様! これは一体どういうことなのでしょうか!?」
「これは……。黄金の猫じゃらしに宿っている精霊が、何かに反応しているようだね」
「そうみたいだな。なんか俺たちに伝えたいことでもあるんじゃないのか?」