白猫王子と俺様黒猫~猫神の嫁なんてお断りですっ!~
「何も用が無いのに、喋りにくるわけないもんな」


 白亜と黒霧が、猫じゃらしに向かってそう尋ねる。

 一見ゴミみたいな黄金の猫じゃらしに話しかけている光景が、なんだかシュールだ。


『うん! 君たちふたりから今日、「神になれる資格」を感じ取ったから、僕はそのことについて話に来たんだ!』


 相変わらずお子様声で黄金の猫じゃらしに宿る精霊さんは喋った。

 だけど、その言葉の中にはとっても大事な事柄が含まれていた。

 神になれる資格……?


「え、やっぱり俺が神になれる資格があるってこと? だったらさっさと神様にしてほしいなあ」

「は? 何聞いてやがんだよ白亜は。『君たちふたり』って、精霊は言ってんだろうが」

『そうそう、君たちふたりから感じ取ったんだ。だから今のところは、ふたりとも神様になれる可能性があるんだよ』


 毎度おなじみの言い合いをする白亜と黒霧に、幼そうな声ながらも冷静に答える精霊さん。

 ふたりとも神様になれる可能性がある、か。

 でも確か、元々そういう話だったよね。

 わざわざそれについてお話しに来たってことは、まだ話の続きがありそうだ。


< 120 / 130 >

この作品をシェア

pagetop