白猫王子と俺様黒猫~猫神の嫁なんてお断りですっ!~
 お父さんはきっと、本当は知らない男の子ふたりなんて住まわせたくないけれど、正真正銘の猫神候補なのだから受け入れざるを得ないなあ……って感じなんだろう。


「俺の部屋はどこだ?」

「ああ、そうねー。ふたりの部屋を用意しないと。ご飯もふたりぶん増えるのね」

「あ、俺たちご飯は人間と同じで大丈夫だよ」

「ご、ご飯……。食費が増えそうだな……。でも猫神様の候補だ、耐えねば……」


 楽しそうに話す猫神候補ふたりとニコニコしているお母さん、困った様子のお父さんの様子を見て、私は――。


「……な、なんでこんなことに」


 ひとり隅っこで、深くため息をつくことしかできなかった。 
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