白猫王子と俺様黒猫~猫神の嫁なんてお断りですっ!~
お母さんは何やら言いかけていたけれど、ゆっくり話を聞く精神的な余裕はなかった。
私は隅に置いていた通学鞄を乱暴に引っ掴むと、猫神候補ふたりの方はまったく見ずに、素早く居間から出た。
そしてそのまま、家の外へ出て学校へと向かう。
外は、私のように学校に行こうとしている中学生やランドセルを背負った小学生、通勤途中のサラリーマンたちが道を歩いていた。
いつもの光景を見て、私は少しほっとする。
――うん、そうだ。
とりあえず学校に行けば、あいつらはいないんだし。
とにかく、友達に会って気持ちを落ち着けよう。
そう思った私は、足早に通学路を歩いたのだった。
*
「おはよー、枝乃。……って、なんか朝から疲れた顔してない?」
教室に入ると、一番の仲良しの奈菜が心配そうな顔をしてそう言ってきた。
「ああ、おはよー奈菜。あはは……。ちょっといろいろあって」
乾いた声で私は言う。
本当にいろいろありすぎて、頭が追い付かないよ……。
「いろいろ? 例えば何があったの?」
「ああ、えっとね……」
私は隅に置いていた通学鞄を乱暴に引っ掴むと、猫神候補ふたりの方はまったく見ずに、素早く居間から出た。
そしてそのまま、家の外へ出て学校へと向かう。
外は、私のように学校に行こうとしている中学生やランドセルを背負った小学生、通勤途中のサラリーマンたちが道を歩いていた。
いつもの光景を見て、私は少しほっとする。
――うん、そうだ。
とりあえず学校に行けば、あいつらはいないんだし。
とにかく、友達に会って気持ちを落ち着けよう。
そう思った私は、足早に通学路を歩いたのだった。
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「おはよー、枝乃。……って、なんか朝から疲れた顔してない?」
教室に入ると、一番の仲良しの奈菜が心配そうな顔をしてそう言ってきた。
「ああ、おはよー奈菜。あはは……。ちょっといろいろあって」
乾いた声で私は言う。
本当にいろいろありすぎて、頭が追い付かないよ……。
「いろいろ? 例えば何があったの?」
「ああ、えっとね……」