白猫王子と俺様黒猫~猫神の嫁なんてお断りですっ!~
 奈菜に尋ねられて、どこから説明しようかと考えた私だったけれど、その途中ではっとする。

 ――猫神候補の男の子ふたりがいきなりうちにやってきて、宝具の黄金の猫じゃらしを狙ってるんだ。

 しかも私を嫁にしようと目論んでいて、なんやかんやで家に一緒に住むことになっちゃった。

 ……なーんて馬鹿な話、信じてくれるわけないよね。

 こんなこと言ったら、アニメや漫画の見過ぎじゃないのって思われちゃう。

 ただでさえ、家が神社だってことを人に知られるのが嫌なのに、こんな出来事が起こっているなんて周りに知られたら、それこそ普通の中学生じゃなくなっちゃうよ。


「あ……。ううん、ちょっといろいろ……。昨日の夜ね、漫画読んだり、映画見たりとかでつい夜更かしちゃって。それで寝不足なの~」


 作り笑いを浮かべて適当な言い訳をすると、心配そうにしていた奈菜の顔が晴れた。


「なーんだ、そうだったの~? 授業中寝ないように気を付けんだよー!」

「う、うん。ありがとう」


 よかった、奈菜は誤魔化せたみたいだ。

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