白猫王子と俺様黒猫~猫神の嫁なんてお断りですっ!~
 三年生の時は、クラスで人気の男の子と、たまたま席が何度か隣になり、愛羅に「ずるじゃないの!?」と言いがかりをつけられた。

 こんな風なことが幼稚園の頃から中学一年生になった今まで、何度もあった。

 なんでかわからないけれど、愛羅が気に入る男の子と私はいつも何らかの関係がある。

 全部偶然だけど。

 だから彼女曰く、私は「恋路を邪魔する悪魔」なんだそうだ。

 ……って、私はもちろん全然そんなつもりはなくて、愛羅のいちゃもんには正直辟易している。

 だけど最近では、相手にするのがちょっと馬鹿らしくって――。


「ああ、ごめんね」


 こんな風に、当たり障りのない返答をしてやり過ごすことを覚えた私だった。

 私が愛羅から離れるように動くと、奈菜は不満そうな顔をしながらも、そんな私に続く。

 奈菜も愛羅が私を目の敵にしていることは知っているから、あんまり彼女のことをよく思っていないみたい。


「ふん……! なんかこの辺、猫のにおいがするわね~」

「……別ににおいなんてしないけど」


 愛羅の言葉に、奈菜がそう言ってくれた。

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