白猫王子と俺様黒猫~猫神の嫁なんてお断りですっ!~
「眠かった!? 枝乃、朝の礼拝は猫神様に仕える身としては一番大事な……」

「あーはいはい、今度ね。気が向いた時に」


 悪びれもせずに私は言う。

 もう、礼拝とか猫神様とか、私にはどうでもいいんだってば。

 だって私、猫神様なんて全然信じてないし。

 小さい頃からお父さんに言われて、猫神様にお祈りをしたり、猫神様の使いである猫達を世話したりしてきたけど、猫神様の方が私に何かいいことをしてくれたことは一度もない。

 まあ、猫の世話は好きでやっているからいいけどさ。

 でも、そんないるかいないかもわからない神様のために、朝早起きして礼拝とか、境内の掃除とかは、中学生には正直やってられないよ。

 そんなの、周りの友達は誰もやってないもん。

 あーあ。

 嫌だなあ、神社が家だなんてさあ。


「今度って……。枝乃ー、礼拝は毎日しないと意味がないんだぞ?」


 私のそんな気持ちが顔に出てたんだと思う。

 お父さんはため息をつきながら、私を諭すように言った。


「そんなの、毎日やってる中学生なんていないよ……」

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