LOVEDOUBT ホスト×女子高生
10、好きなの?
私とナツキはパーキングに停めていたベンツに乗り込み、
ナツキは車をそこから退かしただけで、
すぐに路肩に停車した。
ナツキはずっと無言で、
怒っているのが空気で伝わって来る。
ただ、そのナツキの怒りの感じが、
私に酷い事をしていた松永先生に対してではなくて、
なんとなく、私に向いているような気がする。
「ナツキ、なんで私に怒っているの?」
「へぇー、未央はそんなバカじゃないんだ」
その私を見るナツキの目は、
やはり私に怒っている。
「一体、なんで私に怒ってるの?」
「やっぱ、バカなんだ…」
そう言ってため息をつかれて、
なんだか、私も少しナツキに対して腹が立って来る。