LOVEDOUBT ホスト×女子高生
「ホスト」


私がそう言った瞬間、私を取り囲んでいた全員が、引くのが分かった。


引いてはないのかもしれないけど、
言葉を無くしたって感じで。



「S駅近くで歩いている時に、
彼から声を掛けられて。
それで、なんか仲良くなって…昨日付き合う事に…かな?
昼間しか会った事無かったから、昨日迄ホストだと知らなかったんだけど」


そんな感じで、ナツキに話せばいいとアドバイスされていたけど、
本当に、いいのだろうか?



「そうなんだ…」


誰かが、そう言って、
本当にカッコいい人だったよね、って口々に言って、
みんな散り散りに離れて行った。


多分だけど、もう私にナツキの事を訊いて来る人は居ないと思った。


その話題に、触れてはいけない、的な。


ナツキが言っていた。


「そう言えば、未央も質問責めから解放されると思う」


本当に、その通りになった。


< 173 / 266 >

この作品をシェア

pagetop