LOVEDOUBT ホスト×女子高生
「色恋とかと違って、薄っぺらくないから。
彼女は、本当に大事なお客さん」
その言葉に、
ナツキに恋していただろう私の母親は、
ナツキにとって大事なお客さんじゃなかったのか?と
思わず、訊いてしまいそうになった
訊かずに思い留まったのは、
訊く迄もないって思ったから
今、ナツキの表情を見ていたら、
それが分かってしまう
「ホント、愛とか恋とかってくだらないから。
嘘や疑わしい事ばっかりで」
それは私に言っているより、
自分自身に言っているように見えた
「ナツキは、今まで誰かを好きになったりした事ないの?」
そんなナツキに、思わず問いかけてしまう
普通に考えれば、いい歳の男性が人生誰にも恋した事ない訳がないと思いながらも
ナツキは少し不快そうな顔をこちらに向けるが、
すぐに余裕を取り戻し、
笑う
「さあ、どうだろ?
それより、突っ立ってないでそこのソファーにでも座れば?
俺はシャワー浴びて来るから」
「え、あ、うん‥‥」
私が返事をする前にナツキは踵を返し、
颯爽とリビングを出て廊下の方へと行った
なんとなく、逃げられたような気分