LOVEDOUBT ホスト×女子高生
16、桜咲く
桜咲く、四月の中旬。
私の地元ではもう桜が散ったけど、
この辺りでは、今が満開。
ここは、S県。
私は無事に大学受験に成功し、ナツキを追いかけに来た。
数ヶ月振りに見た彼は、
女性に優しい言葉を掛けて、その手を握っている。
「田中さん、僕が支えるから、
車椅子から立ってこっちの椅子に座って下さい」
その女性は、歳は80代後半くらい?
分かんないけど。
ここは、S県の老人ホームで、
ちょうど昼食時。
その田中と言う老女を、彼は車椅子からダイニングチェアーに移動するように促している。
そのナツキだった彼の姿は、別人じゃないかってくらい、違う。
髪も黒く、以前の彼なら似合わなかったようなG-SHOCKの腕時計も、
普通に馴染んでいて。
その声色も、表情も柔らかくて。
この空間にいるおばあちゃん達が、
そんな彼をアイドルのように見ていて。
ここでもNo.1なんだ、と笑みが溢れた。
私が声を掛けようとした瞬間。
先に、彼は私に気付いた。
私の地元ではもう桜が散ったけど、
この辺りでは、今が満開。
ここは、S県。
私は無事に大学受験に成功し、ナツキを追いかけに来た。
数ヶ月振りに見た彼は、
女性に優しい言葉を掛けて、その手を握っている。
「田中さん、僕が支えるから、
車椅子から立ってこっちの椅子に座って下さい」
その女性は、歳は80代後半くらい?
分かんないけど。
ここは、S県の老人ホームで、
ちょうど昼食時。
その田中と言う老女を、彼は車椅子からダイニングチェアーに移動するように促している。
そのナツキだった彼の姿は、別人じゃないかってくらい、違う。
髪も黒く、以前の彼なら似合わなかったようなG-SHOCKの腕時計も、
普通に馴染んでいて。
その声色も、表情も柔らかくて。
この空間にいるおばあちゃん達が、
そんな彼をアイドルのように見ていて。
ここでもNo.1なんだ、と笑みが溢れた。
私が声を掛けようとした瞬間。
先に、彼は私に気付いた。