LOVEDOUBT ホスト×女子高生

「海宝さん、って呼べばいい?」



もうナツキではない彼を、
まだナツキと呼ぶのはなんとなく憚られる。



「久志でいい」


「そう。
あれから久志の事はその興信所の探偵さんから色々聞いて知ったんだけど。
あのベンツや時計なんかを売ったお金で、
私の母親にお金を返してくれたんでしょ?」


「ああ。うん。
アヤノに金返したら、貯金殆どすっからかんで」


「後、お客さん一人一人に、ホスト辞める事と、お礼の電話して回ったって」


「なんか、その興信所の探偵さん、
優秀過ぎない?
怖いんだけど」


「成瀬さんの紹介なんだけど。
昔、一緒に仕事してた人が、独立して興信所開いているからって」

私の口から成瀬さんの名前が出た瞬間、
面白いくらいにこの人が動揺したのが分かった。


「え、なんで未央が成瀬さんと繋がってるの…って、思ったけど。
名刺貰ってたか、あの時」


以前、ナツキとデートしていた時に、
ナツキの友達の成瀬さんにバッタリと会い、
私は彼から名刺を貰った。


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