LOVEDOUBT ホスト×女子高生
勧められたようにソファーに座り、
鞄から引っ張り出したスマホを暫くいじっていると、
ナツキがリビングに戻って来た
「あれ、ナツキ眼鏡なんだ?」
今、ナツキは黒ぶちの眼鏡をかけていて、
一瞬、誰かと思うくらいに印象が違う
やはり、眼鏡でもかなりいい男なのは変わらないが
髪も、シャワーを浴びた事を物語るように湿っている
先ほど迄のスーツとは違い、
今は部屋着なのかTシャツに短パン姿
「俺、視力悪いからいつもはコンタクト。
家では眼鏡っ子なんで」
「へぇ、そうなんだ。
けど、お金ありそうだからレーシック手術すればいいのに」
「手術とか怖いから」
そう言って笑うナツキは、
先ほど迄のバリバリホスト姿の時とは違い、
自然な笑顔に見えた
「家から心配の連絡とかない?」
ナツキの視線は、私が手にしているスマホに向いている
「あるわけないじゃん。
今も友達にLINEの返信してただけだし」
父親は昨日から出張で、
明後日迄帰って来ない
家には後妻のあの女だけ
家から心配の連絡なんてあるはずがない
「けど、家出してああやって勢いでホストクラブとか来たりする所を見ると、
未央ちゃん彼氏とか居ないんだ?
他に行く所無かったって事でしょ?」
ナツキは私の横に腰を深く下ろすと、
また意地悪そうな顔で見て来る
「ほっといてよ」
そう言うと、ナツキはまた楽しそうに笑っている
彼氏なんて存在、
生まれてから今までずっと居ない
べつに、彼氏なんていらない
って言ったら、嘘になるけども‥‥