LOVEDOUBT ホスト×女子高生



「ナツキは彼女は居ないの?」


話の流れで、訊いてみる


ナツキのその辺り、興味あるような、特にないような




「居るように見える?」



「見えるよ。
かなり見える」


そう言い切ると、ちょっと面食らったような顔をしている




「彼女って言われると、
暫く居ないけども」



「なんか、含みのある言い方するよね」



彼女以外は、居るって事なんだ




「まぁ、俺も26のいい大人なんで色々とあるんですよ。

あ、でも、少し前迄、色カノなら居たけど。
それが彼女だって言うなら、
彼女だけど」



「色カノ?
その色カノって何?」



「簡単に言うと、客に俺と付き合ってると思わせて、
店に呼んでドンドンと金を使わせんの」



うわあ、最悪‥‥



考えている事が顔に出てたからか、
私の顔を見てナツキは笑う




「ナンバーワンになる為に、なりふり構ってらんないから。
最低な男だって誰に思われようが、どうでもいい」



その言いぐさ、開き直っている訳ではなくて



私には、自分自身に言い聞かせているように思ったんだけど


一番、ナツキ自身が自分を非難してそうだから




「未央ちゃんのお母さんの事も、
俺は特に悪いと思ってないから」


そう言って私に向ける目は、
言葉や浮かべている強気な表情とは違い、
何処か悲しそうに見える




「そうだね。
さっきも言ったけど、ナツキは悪くないから。

私の母親がバカなだけ。
いい歳してホストなんかにハマッて」



もし、ナツキがすっごい嫌な奴だったら、
私はこうやってナツキを庇うような事は言わなかったかもしれないけど




「なんか未央ちゃんとは、
意見が合うのか合わないのかよく分かんないんだけど」



「本当だね」


私が思わず笑うと、
ナツキも表情を崩してくれた
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