LOVEDOUBT ホスト×女子高生
◇
「私、こんなものしか作れないんだけど。
食べるなら食べたら」
夕飯時、いつものように惣菜や冷凍食品を出されると思っていたが、
真紀さんはダイニングテーブルに座る私の前に、皿に盛られたチャーハンを置いた
よく見ると、ネギやチャーシューの形が歪で、卵も焦げている
思わず、なにこれ?と言いそうになったが、
思い切ってその見た目の悪いチャーハンを一口スプーンですくい口に入れた
「あ、美味しい」
だから、続けて2口3口と食べてしまう
真紀さんは、そんな私を仏頂面で見ている
「あんたの母親、凄く料理が上手かったんでしょ?
部長、よくお弁当持って来てたから」
部長と言うのは、うちの父親の事
結婚した今でも、私が知る限り真紀さんはそう呼んでいる
元々、父親と真紀さんは同じ会社の上司と部下みたい
詳しくは知らないが、父親が部下の真紀さんに手を出し社内不倫に発展し
そして、真紀さんは不倫関係が会社に知られないように、
妊娠した為すぐに会社を辞めたらしい
けど、離婚して再婚し公にした今、会社にはそれが知れ渡っているだろうから父親はそれなりに会社で居心地が悪いんじゃないだろうか
会社には、離婚した後真紀さんと交際を始めた事にしているみたいだが、
そんなの信じる奴居ないだろうし
もうすぐ子供だって生まれるし
「料理が上手くても、若い愛人作られるんだから、
料理なんか出来なくても良かったんだろうね」
母親は、料理だけじゃなく家事も完璧だった
けど、何かが父親から見て足りなかったんだろう
その後、真紀さんとは特に話す事もなく、
さっさと食事を済ませた