オフィスの華(令和版）Episode.０~スノードロップ~
フロア内にある休憩スペースのスツールに腰を下ろして、並んで缶コーヒーを飲んだ。

「小畑さんって…見た目、気が強そうに見えるけど…大人しい方ですね…」

「昔はもっと気が強かったんですよ…でも・・・色々とあって…反省して…」

まぁ、社内恋愛禁止の中で部長と交際しているし、極力目立たないように振舞っていた。

「ふうん」
栗原さんは頷き、缶コーヒーを口にした。

「栗原さんが羨ましいです。皆と楽しそうにお喋りが出来て…」

「まぁ、俺には同期が居ないし…一匹狼だから…皆と仲良くしないと必死なんですよ…小畑さんには同期居るでしょ？」

「あ…はい…でも・・・皆、所属はバラバラだし…仲のいい同期も出来ませんでした。ある意味、私も一匹狼です」

「経理課の染中さんとは同期でしょ？」

「まぁ…そうですけど…彼女は短大卒だし…年齢も違うから…」

あの地味で有名な染中さんの名前が栗原さんの口から出るなんて意外で驚いた。

「…そうなんだ」


彼は一人で納得した。


「栗原さん？」

「え、あ…すいません…ボーッとしてました」

彼は慌てて缶コーヒーを飲み干した。
「そろそろ行かないと…俺から誘ったのに…すいません…小畑さん」

彼は先に急いでフロアに戻ってしまった。
















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