オフィスの華(令和版)Episode.0~スノードロップ~
「物分かりの良い子はスキだな…小畑さん…いや奈央さん…」

彼は一気に私の解いた帯を抜き取り、肌に触れた。

耶刃さん以上に激しく追い求める本能の持ち主。

「熱を下げるには汗をかくのがいいんだよ…」

彼はそう言って、私のナカに自分の熱を押し込んだ。

耶刃さんとは違う質量に私のカラダが慄く。
私のカラダを奪うだけを目的で動いている彼の動きは性急だ。
風邪の熱で魘されたカラダの内側は甘美な悦と彼の体温で燃え滾っていた。

彼の律動に合わせて、意識は途切れたり続いたりして目の前に何度も暗転が入る。そして、酸素不足なのか苦しい。でも、全身は甘い感覚に狂い、抵抗しながらも嬌声を上げた。





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