オフィスの華(令和版)Episode.0~スノードロップ~
詳しくは分からなかったけど、彼は京大医学部付属病院でも凄い人だったんだ。


「じゃ俺はこれで…」
「あぁ、頑張ってくれよ…」
「はい」

私達は栗原さんと会場の前で別れた。


「栗原さん一人に任せていいんですか?」

「いいんだ…久しぶりに奈央と二人になりたいから…」

「え、あ…」

「なんだよ!?その返事は…俺は本気で…」

「私だって過ごしたかったです…」

師走の忙しさと講演会の準備で追われ、互いにすれ違っていた。

「よし、素直に言ったぞ、奈央」

耶刃さんは満面な笑みを浮かべて、私の頭を撫でる。


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