オフィスの華(令和版）Episode.０~スノードロップ~

同じ会社への通勤、同時刻の部屋のドアが開いた。

「おはよう、小畑さん」

片手にはゴミ袋。

私も同じで片手にゴミ袋を持っていた。


「何か同じだな…」
彼はフッと笑う。

「駅までは自転車乗ってるの？」

「あ…小畑さんはどうするの？」
「私は徒歩で行きます…」

「そう、じゃ俺も徒歩で行こうかな？」
「急がないんですか？」
「今日は普通でいいよ…」


二人でゴミ置き場にゴミを捨て、徒歩で駅まで向かう。
どんよりとした空を見つめながら歩いてると彼の姿が消えていた。
「こっちだよ。小畑さん」

彼は先に歩き、私が来るのを待って居た。

「すいません…」
私は小走りして追いつく。
冷たい空気で息が白く濁る。
駅前の商店街はクリスマスカラーに染まっていた。

「クリスマスは部長と過ごすんだろ？」