オフィスの華(令和版)Episode.0~スノードロップ~
医務室に常勤しているはずの看護師は不在。
「座って…」
彼は私を椅子に座らせると勝手に棚の扉を開けて、救急箱を取り出した。
殴られた頬をコンパクトミラーで見ると紫色に腫れ上がっていた。
「美人の顔が台無しだね…目立つし…今日は早退した方がいいよ」
栗原さんが鳴れた手つきで消毒液のしみ込ませた脱脂綿で消毒する。
傷口にしみて思わず声を出した。
「俺を何で庇うの?俺は部長の言う通り…君に近づいたのは復讐の為だ…俺は君に微塵も好意なんて寄せてない」
栗原さんは淡々と喋り、頬の手当てをしてくれた。
「ありがとう…」
「部長とは終わりだね…」
「・・・」
「あの人…お兄さんに恋人奪われてんだよ…」
「…だから‥あんなコトを言ったのね…」
耶刃さんの悲しそうな目が今も脳裏に焼き付いていた。
「…君だってシンデレラになりたいでしょ?」
「座って…」
彼は私を椅子に座らせると勝手に棚の扉を開けて、救急箱を取り出した。
殴られた頬をコンパクトミラーで見ると紫色に腫れ上がっていた。
「美人の顔が台無しだね…目立つし…今日は早退した方がいいよ」
栗原さんが鳴れた手つきで消毒液のしみ込ませた脱脂綿で消毒する。
傷口にしみて思わず声を出した。
「俺を何で庇うの?俺は部長の言う通り…君に近づいたのは復讐の為だ…俺は君に微塵も好意なんて寄せてない」
栗原さんは淡々と喋り、頬の手当てをしてくれた。
「ありがとう…」
「部長とは終わりだね…」
「・・・」
「あの人…お兄さんに恋人奪われてんだよ…」
「…だから‥あんなコトを言ったのね…」
耶刃さんの悲しそうな目が今も脳裏に焼き付いていた。
「…君だってシンデレラになりたいでしょ?」