オフィスの華(令和版)Episode.0~スノードロップ~
「ゲスだな…てめぇ…栗原」

「・・・彼女が居るのに呼んだのはあんただろ?部長」


栗原さんはキスの後、自分の唇に付いた私のグロスを指先で拭い、舐め取った。

「くそっ」
耶刃さんは顔を顰め、彼を睨んだ。
私は耶刃さんを挑発する栗原さんの頬を叩く。
赤くなった頬を押え、不敵に見つめる彼。

―――結局、私は彼の復讐の道具にしかして貰えない。


ふわりと溢れる涙を堪え、執務室を出る。

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