初カノの忘れかた
「で、どうしたの?」
朱音はつまみを手に取りながら質問してきた。
俺はグラスに入っていたワインを一気に飲み干して、
「いや、別にどうってわけでもないんだけどさ、さっき彼女にフラれたんだよ。」
と回答した。
「またかよ。」
「あんた、これで今年に入って何人目?」
二人は呆れた目で俺のことを見つめてきた。
「3人目だよ。なんか、俺といても辛くなるんだってさ。」
「それ、歴代の彼女たち全員に言われてない?」
「うん、言われてる。理由を聞いても、誰も答えてくれないから改善しようにも改善ポイントが分からないんだよ。」
「そりゃ、理由聞いてちゃんと答えてくれる子なんていないでしょ。答えてくれるなら、あんたと別れるって答えを出さないって。」
朱音は笑いながら答えた。
「ってか、なんで女性って勝手にストレスや不満溜めて、溜め過ぎたら自分勝手に別れを切り出してくるんだろう。」
俺は朱音に八つ当たりをした。
「いやいやいや、女性全員をくくるのやめてもらっていいかな。それに、自分勝手に不満溜めているって言ってたけど、溜まりきる前に、絶対『守に気付いてもらいたい』って想いで何かしらのサインは出していたと思うけどね。
それに気付かないような鈍感野郎だから別れ話をされるんだよ、あんたは。それにしても今年に入って、まだ半年しか経ってないのに、すでに3人からフラれてるって、どれだけモテて、どれだけ期待はずれの男なんだよ、守は。」
朱音は机を叩きながら大笑いしていた。
「朱音、ちょっと言い過ぎだよ。」
「なによ、健。あんたは私より守の味方するっていうの?」
「味方っていうか。」
「大丈夫だよ、健。ありがとな。」
俺は健の肩を2,3回叩いた。
すると、健はいきなりグラスに入っていたワインを一気に飲み干した。
「どした?急に。そんなお酒強くないんだから、飲みすぎるなよ。」
俺は健の奇行に動揺した。
「守がフラれて辛い想いしている時に言うのも違うかなって思っているんだけど、今日、急遽お前のことを呼び出したのは理由があって。」
「理由?どんな?」
俺からの問いかけに対して、健は朱音の方をチラッと一瞥してから、
「実は俺、結婚するんだ。」
と衝撃なカミングアウトをかましてきた。
「結婚?健が?おめでとう!
で、相手は?
ん?もしかして?」
俺は、健と朱音を交互に見た。
すると、さっきまであれだけ俺のことを罵っていた朱音が、急に借りてきた猫のようになり、頬を赤く染めていた。
「え。ちょっと待って。嘘でしょ。健の相手って、朱音なの?」
数秒の沈黙が流れたあと、健は小さく頷いた。
「マジかよ。全然、気がつかなかった。え?いつ頃から?」
俺の頭はパンク寸前になっていた。
朱音はつまみを手に取りながら質問してきた。
俺はグラスに入っていたワインを一気に飲み干して、
「いや、別にどうってわけでもないんだけどさ、さっき彼女にフラれたんだよ。」
と回答した。
「またかよ。」
「あんた、これで今年に入って何人目?」
二人は呆れた目で俺のことを見つめてきた。
「3人目だよ。なんか、俺といても辛くなるんだってさ。」
「それ、歴代の彼女たち全員に言われてない?」
「うん、言われてる。理由を聞いても、誰も答えてくれないから改善しようにも改善ポイントが分からないんだよ。」
「そりゃ、理由聞いてちゃんと答えてくれる子なんていないでしょ。答えてくれるなら、あんたと別れるって答えを出さないって。」
朱音は笑いながら答えた。
「ってか、なんで女性って勝手にストレスや不満溜めて、溜め過ぎたら自分勝手に別れを切り出してくるんだろう。」
俺は朱音に八つ当たりをした。
「いやいやいや、女性全員をくくるのやめてもらっていいかな。それに、自分勝手に不満溜めているって言ってたけど、溜まりきる前に、絶対『守に気付いてもらいたい』って想いで何かしらのサインは出していたと思うけどね。
それに気付かないような鈍感野郎だから別れ話をされるんだよ、あんたは。それにしても今年に入って、まだ半年しか経ってないのに、すでに3人からフラれてるって、どれだけモテて、どれだけ期待はずれの男なんだよ、守は。」
朱音は机を叩きながら大笑いしていた。
「朱音、ちょっと言い過ぎだよ。」
「なによ、健。あんたは私より守の味方するっていうの?」
「味方っていうか。」
「大丈夫だよ、健。ありがとな。」
俺は健の肩を2,3回叩いた。
すると、健はいきなりグラスに入っていたワインを一気に飲み干した。
「どした?急に。そんなお酒強くないんだから、飲みすぎるなよ。」
俺は健の奇行に動揺した。
「守がフラれて辛い想いしている時に言うのも違うかなって思っているんだけど、今日、急遽お前のことを呼び出したのは理由があって。」
「理由?どんな?」
俺からの問いかけに対して、健は朱音の方をチラッと一瞥してから、
「実は俺、結婚するんだ。」
と衝撃なカミングアウトをかましてきた。
「結婚?健が?おめでとう!
で、相手は?
ん?もしかして?」
俺は、健と朱音を交互に見た。
すると、さっきまであれだけ俺のことを罵っていた朱音が、急に借りてきた猫のようになり、頬を赤く染めていた。
「え。ちょっと待って。嘘でしょ。健の相手って、朱音なの?」
数秒の沈黙が流れたあと、健は小さく頷いた。
「マジかよ。全然、気がつかなかった。え?いつ頃から?」
俺の頭はパンク寸前になっていた。