振り向いて欲しい
高校2年。 

クラス替えになり私は優子と同じ4組になった。
友美は1組。2人ずるいよーと言っていたが社交的な友美はすぐに友達を作った。それが遥加。
遥加さ色白二重でお人形のようなとても可愛い子。でも性格は友美のようにサバサバしてるし大きな声で笑う。そんな遥加を加え4人でお昼を食べるようになった。 

高坂くんは離れて7組になった。
5組まではA棟。6組からはB棟のため会うことはない。

寂しいな、と思った。また喉の奥でチリッとする。サーヤマンってもう言ってもらえないんだ…。あの後だってそんなに話した訳じゃない。ただ、教科書を一緒に見て、サーヤマンって呼んでもらっただけ。でも…
見渡してももう教室の中に高坂くんはいない。

テニス部から体育館を見ると時折見える姿だけ。声をかけるきっかけも無くなった。

私たち3人はなんとか玉拾い部から昇格しコート入り出来るようになっていた。やってみると楽しくて残って練習さえしていた。 

そんな私たちを待っていた遥加と4人で帰り着くのが私たちの今日このごろ。太っちゃう、と言いながらアイスを食べてみたりファーストフードに寄ってみたりした。こんなに仲のいい友達ができるなんて想像もしていなかった。夏には遥加の家でお泊まり会をした。夜遅くまでおしゃべりして、起きたらまたおしゃべりして…。それに飽き足らずお泊まり会の2日後には優子の家でお泊まり会。みんなでご飯を作り、ちょっと恋バナなんかしたりして…。私たちの話は尽きることがない。ずっとこのままいたい、そう思っていた。
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