振り向いて欲しい
産後の経過もよく私は無事退院。

子供は哲平と名付けた。

哲平はよく飲みよく眠るいい子だ。
認めない、と言っていた父がメロメロになっている。泣声が聞こえ見に行くと大抵すでに父が抱いてあやしている。
母はこうなることは分かっていた、と言っていた。私が生まれた時も子煩悩で、走るように会社から帰ってきていた父が赤ちゃんを見ても認められないと言い続けるわけがない、と。

両親の助けを借りながら私は1年、と決めて育児に専念した。

哲平が寝返りしたところもお座りして転んじゃったところも、急にハイハイが始まったところも何もかも私が見てあげたいと思った。哲平の親は私だけなんだから。
哲平は愛想良く名前を呼ぶとヨチヨチ歩いてくるようになった。なんで可愛いんだろう。高坂くんの面影がある哲平は綺麗な顔をしており近所でもイケメンね、なんて言われる。

この前遊びに来た優子も頬擦りして早く赤ちゃんほしいって言ってた。

哲平にパパはいなくてもママが2人分愛してあげるからね!と私も頬擦りしてしまう。
キャッキャッと笑う哲平は何にも変え難い私の宝物だ。
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