竜王様、ご飯の時間です and more ! 〜竜王様と転生メイドのその後〜
プロローグ
竜王城へ帰る前に
私ことライラ——前世現代日本人、転生して竜王国で下っ端メイド——は、諸事情により竜王城を出奔し、竜王国でも辺境と呼ばれる地でひっそりと暮らしていました。まあ、記憶を消された上でとはいえ、敵国からスパイとして送り込まれたメイドなんて、生かしておけるわけないですしね。
ところが、なぜか、竜王様がお迎えに来たんです。
なんの前触れもなく、ほんとに突然旅人のような姿で現れたので、最初は竜王様とはわかりませんでした。むしろ不審者と間違え……げふげふ。ま、まあ、それはいいとして。
私のお味噌汁が恋しいと言ってくださった竜王様のお気持ちに応えるべく、竜王城に帰ることにしました。
え? 妃になれって言われてたじゃないかって?
まさか、私みたいな怪しい人物がお妃様になれるわけないじゃないですか。『元・敵国スパイ』『現・使用人』ついでにド庶民。全方向から反対されるの間違いなし。あれはきっと、お味噌汁飲みたさからきた竜王様のご乱心だったんです。まあ、本気の発言だとは思でないので、スルーすることにしました。気まぐれな発言とはいえ、こんなポンコツメイドを必要としてくれたことは嬉しいですけどね。真に受けないよう、気を引き締めないと。
「短い間でしたが、お世話になりました」
「訳ありとは聞いていたけど、まさかこんな訳ありだったとはねぇ」
「あはははは」
「元気でね。いつでも戻ってきていいからね」
「ありがとうございます。シャトルーズさんたちも、お元気で!」
お世話になったシャトルーズさんたちに別れを告げ、竜王様と一緒に馬車に乗り込みました。手を振り見送ってくれるシャトルーズさん、旦那さんのプルシアさん、私をここに連れてきてくれたボルドーさんとマルーンさん。この御恩は一生忘れません! 都とこちらとの定期便の件は、全力で竜王様にお願いしておきますね。
ところが、なぜか、竜王様がお迎えに来たんです。
なんの前触れもなく、ほんとに突然旅人のような姿で現れたので、最初は竜王様とはわかりませんでした。むしろ不審者と間違え……げふげふ。ま、まあ、それはいいとして。
私のお味噌汁が恋しいと言ってくださった竜王様のお気持ちに応えるべく、竜王城に帰ることにしました。
え? 妃になれって言われてたじゃないかって?
まさか、私みたいな怪しい人物がお妃様になれるわけないじゃないですか。『元・敵国スパイ』『現・使用人』ついでにド庶民。全方向から反対されるの間違いなし。あれはきっと、お味噌汁飲みたさからきた竜王様のご乱心だったんです。まあ、本気の発言だとは思でないので、スルーすることにしました。気まぐれな発言とはいえ、こんなポンコツメイドを必要としてくれたことは嬉しいですけどね。真に受けないよう、気を引き締めないと。
「短い間でしたが、お世話になりました」
「訳ありとは聞いていたけど、まさかこんな訳ありだったとはねぇ」
「あはははは」
「元気でね。いつでも戻ってきていいからね」
「ありがとうございます。シャトルーズさんたちも、お元気で!」
お世話になったシャトルーズさんたちに別れを告げ、竜王様と一緒に馬車に乗り込みました。手を振り見送ってくれるシャトルーズさん、旦那さんのプルシアさん、私をここに連れてきてくれたボルドーさんとマルーンさん。この御恩は一生忘れません! 都とこちらとの定期便の件は、全力で竜王様にお願いしておきますね。
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