竜王様、ご飯の時間です and more ! 〜竜王様と転生メイドのその後〜
「何をつっ立っている」
「え? これがデフォルトです」
「何を言ってるのかわからんが……座れ」
「そんな、竜王様の前で畏れ多い」
「余が座れと言っている」
「あ……。では、失礼いたします」
 竜王様に勧められる(命令される?)まま、私はソファに座りました。
「ふう」
「疲れたか?」
「いえ、大丈夫です」
「そうか」
 海辺の町を出て都に着き、竜王城まで帰ってきたことに気が抜けたようですね。自然に出たため息にも気が付いてくれる竜王様は、やっぱり優しい方だなあ。
「また竜王城|《ここ》で、よろしくお願いいたします。あの、多分もう、隠し事というか、記憶喪失的なのもはないと思いますので!」
「はははっ!」
「何かあってもすぐ報告します!」
「そうしてくれ。また逃げられては困る」
「それはすみませんでしたっ!」
「もうよい。また美味いミソシルを期待しているぞ」
「今まで以上、腕によりをかけますね! 早速ですが、厨房に行ってもいいですか?」
「ああ。構わぬ」
 では失礼して……と、私が荷物を持って部屋を出ようとすると。
「そなたの荷物は部屋に運ばせておこう。置いて行け」
「ありがとうございます」
 ちゃんと部屋も残しておいてくださってたんですね! 感激です。
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