竜王様、ご飯の時間です and more ! 〜竜王様と転生メイドのその後〜
「えぇ……嘘でしょ。私、女王様に協力したし、なんならウェルド氏的にもハピエンに持っていってあげたはずよね? なのにこの仕打ち? ありえん! 出てこいウェルド! さっさと迎えにこんか〜っ!!」
 怒りついでにあちこちに向かって叫びました。ワンチャン、これでお迎え来るかも、ってね。しかしもちろん返答はありませんでした。刻一刻と迫ってくる日没。それにつれて気温もさらにグッと下がってきたし、風向きも変わって森から毒霧が流れ込み始めています。
「寒いぞ〜! 疲れたぞ〜! 眠いぞ〜!! 竜王様! インディゴ様、 スプルース様!!」
 必死に呼んでもまだ圏外なのか、こちらも応答がありません。
 万事休す?
 いや、まだ、まだだ。最後の手段。

「助けて! ラファエル様っ!!」

 私は竜王様に言われた通り〝名前〟を呼びました。
< 146 / 168 >

この作品をシェア

pagetop