竜王様、ご飯の時間です and more ! 〜竜王様と転生メイドのその後〜
 午前中の勉強が終われば、次はランチです。
「魔術についての勉強をしたって?」
 バーガンディーさんが私に話を振ってきました。前の私ならテンパってしまうところだけど、今は違うんですよ。そもそも食べながらお答えするなんて、行儀悪すぎでしょ。そっとカトラリーを置いて、優雅にナプキンで口元を拭って、落ち着いて受け答えすればいいだけなんだから。
「はい。面白いけど、難しいですね。私、魔術が使えなくてよかったです」
「ライラが魔術を使えたら、失敗で大変なことになりそうだよな〜」
「失礼ですね、バーガンディーさん! 私、失敗……〝しか〟しないですね」
 どこかの有名女医さんみたいに『失敗しないので』なんて、言ってみたいけど。
「暴発とか?」
「どういうことですか、インディゴ様!」
「しそうだ」
「スプルース様まで! ……否定できないのが辛い」
「くっ……!」
 竜王様まで笑ってるし。まあ、笑いを提供できたからいいか。ウケてナンボだ。
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