竜王様、ご飯の時間です and more ！ 〜竜王様と転生メイドのその後〜

ただいま、竜王城

　モーヴさんに見送られて、私は竜王様の待つ馬車に乗り込みました。
「お待たせしました」
「もうよいのか？」
　待たされていることにイライラすることなく、窓枠に肘をついて外を見ていた竜王様。そんなアンニュイな感じも素敵ってどんだけイケメンよ。
「はい。ご挨拶できてよかったです」
「そうか。それで、もう寄り道したいところはないか？」
「あ、はい。もう大丈夫です」
「では、城に帰るぞ」
「はい」
　竜王様の声を聞いていたかのように、馬車が動き出しました。

「いよいよ竜王城ですね。みなさん、お元気でしたか」
「ああ」

　もう二度と戻ってくることはないだろうと思った竜王城。まさかこんな形で戻ってくるとは思わなかったなあ。