竜王様、ご飯の時間です and more ! 〜竜王様と転生メイドのその後〜
厨房はこれからが正念場、私もお手伝いしたいところだけどそもそも調理以外は手出し無用だから、残念ながらもはや存在が邪魔です。
「ではみなさん、手隙の時間にちゃんと休憩とってくださいね」
自分のおにぎりを食べ終えてから、私は部屋に戻ることにしました。
私が部屋に戻るのに通っている廊下は竜王城でもプライベートな部分なので、いつもと変わらぬ静けさです。表では、たくさんのお客様が竜王様の元に来ているのなんて微塵も感じさせないし、ましてや今日これからパーティーがあるなんて嘘のように思えます。いや、私が嘘と思いたいだけか。
「まだ時間はありますよね?」
「はい」
私の質問に、クラレットが答えてくれました。このまま早く部屋に戻っても、さっきみたいに落ち着かなくて、右往左往しているだけのような気がしてるんですよね。ならば、時間ギリギリまで気を紛らせておく方がいいかな〜って思うんです。
「今からちょっとだけダンスのおさらいしてもいいですか? いつものお部屋、空いてます?」
「ダンスのおさらいですか?」
急にダンスをするなんて言い出したからか、クラレットが驚いています。
「そう。だってこのまま部屋に戻っても、緊張マシマシになりそうだから。ほら、カチコチに緊張したままだと、ダンス失敗しそうじゃない?」
「そうですね」
「自分の部屋でもいいんだけど、テーブルとか椅子とかがあって、ぶつかって壊しちゃっても悪いし」
「くっ……。コホン。わかりました。あちらのお部屋は今日は使いませんので、大丈夫でございますよ」
自分の身よりも高級家具の方が心配なので大真面目に言ったんだけど、クラレットにはツボったようです。笑いそうになるのを咳払いで誤魔化しましたね。笑ってもらってよかったんだけど。
「じゃあ、少しだけ」
「お一人で大丈夫でございますか? ウィスタリアさんに言って、誰か一緒に練習してくれる方をお願いしましょうか?」
「いやいや、今日はみんな忙しいからやめておいて。私一人でも大丈夫よ」
「では……参りましょうか」
「はい」
静かな廊下を、私の部屋ではなくいつものダンスのレッスン部屋に向かうことになりました。
「ではみなさん、手隙の時間にちゃんと休憩とってくださいね」
自分のおにぎりを食べ終えてから、私は部屋に戻ることにしました。
私が部屋に戻るのに通っている廊下は竜王城でもプライベートな部分なので、いつもと変わらぬ静けさです。表では、たくさんのお客様が竜王様の元に来ているのなんて微塵も感じさせないし、ましてや今日これからパーティーがあるなんて嘘のように思えます。いや、私が嘘と思いたいだけか。
「まだ時間はありますよね?」
「はい」
私の質問に、クラレットが答えてくれました。このまま早く部屋に戻っても、さっきみたいに落ち着かなくて、右往左往しているだけのような気がしてるんですよね。ならば、時間ギリギリまで気を紛らせておく方がいいかな〜って思うんです。
「今からちょっとだけダンスのおさらいしてもいいですか? いつものお部屋、空いてます?」
「ダンスのおさらいですか?」
急にダンスをするなんて言い出したからか、クラレットが驚いています。
「そう。だってこのまま部屋に戻っても、緊張マシマシになりそうだから。ほら、カチコチに緊張したままだと、ダンス失敗しそうじゃない?」
「そうですね」
「自分の部屋でもいいんだけど、テーブルとか椅子とかがあって、ぶつかって壊しちゃっても悪いし」
「くっ……。コホン。わかりました。あちらのお部屋は今日は使いませんので、大丈夫でございますよ」
自分の身よりも高級家具の方が心配なので大真面目に言ったんだけど、クラレットにはツボったようです。笑いそうになるのを咳払いで誤魔化しましたね。笑ってもらってよかったんだけど。
「じゃあ、少しだけ」
「お一人で大丈夫でございますか? ウィスタリアさんに言って、誰か一緒に練習してくれる方をお願いしましょうか?」
「いやいや、今日はみんな忙しいからやめておいて。私一人でも大丈夫よ」
「では……参りましょうか」
「はい」
静かな廊下を、私の部屋ではなくいつものダンスのレッスン部屋に向かうことになりました。