竜王様、ご飯の時間です and more ! 〜竜王様と転生メイドのその後〜
大人しくニコニコしながら座っているだけの簡単なお仕事なのですが、いつも一緒に働いている使用人さんたちが忙しそうにしているのを見るにつれ、だんだん居た堪れなくなってきました。しかもここは一段高い場所、いろんなところに目が行きます。前回のパーティーの時に会場見渡し係なんかをやったもんだから、余計にウズウズしちゃう。「あそこ、お料理が少なくなってきてる」とか「あの辺り、飲み物を配る給仕が少ない」とか。気付いているのに知らんふりするのもモヤモヤするし、かといって今日の私は『竜王様のゲスト』という立場だから、表立って会場を指揮するのも良くないし。どうしたら、角が立たずに伝えられるかしら。……そうだ。
「飲み物を持ってきてくださる? ついでにあの場所の料理の追加を、ウィスタリアさんに伝えてください」
私は手にした扇子で口元を隠し、後ろに控えているシエナにお願いしました。ふふふ『何かのついで作戦』です。これならバレるまい。それから気になった都度『お菓子欲しい』だの『おつまみ欲しい』だの(意訳)お願いし、ついでに会場内の気になったことを伝え続けました。
何度かそういうやりとりをしていると、竜王様が気付いたようです。
「さっきから何をしているのだ?」
「裏方仕事をちょっと」
「ライラらしいな」
「お褒めに預かり光栄です。あ、これ美味しいですよ。竜王様もいかがですか? 私も仕込みを手伝いました」
「そうか。ではいただこうかな」
「わかりました。クラレット、この料理を竜王様に持ってきて。あと、あそこの場所の給仕が少ないのをウィスタリアさんに」
竜王様のリクエストも、ちゃんと『作戦』に利用させてもらいますよ!
「飲み物を持ってきてくださる? ついでにあの場所の料理の追加を、ウィスタリアさんに伝えてください」
私は手にした扇子で口元を隠し、後ろに控えているシエナにお願いしました。ふふふ『何かのついで作戦』です。これならバレるまい。それから気になった都度『お菓子欲しい』だの『おつまみ欲しい』だの(意訳)お願いし、ついでに会場内の気になったことを伝え続けました。
何度かそういうやりとりをしていると、竜王様が気付いたようです。
「さっきから何をしているのだ?」
「裏方仕事をちょっと」
「ライラらしいな」
「お褒めに預かり光栄です。あ、これ美味しいですよ。竜王様もいかがですか? 私も仕込みを手伝いました」
「そうか。ではいただこうかな」
「わかりました。クラレット、この料理を竜王様に持ってきて。あと、あそこの場所の給仕が少ないのをウィスタリアさんに」
竜王様のリクエストも、ちゃんと『作戦』に利用させてもらいますよ!