地味同盟〜地味男はイケメン元総長〜
ただでさえ理容師のはさみはよく切れるから、緊張感を忘れちゃいけない。
人の髪を切るようになってから、口うるさいくらいお父さんから言われた言葉だ。
「日高、座って」
促して座らせると、カットクロスを掛ける。
「メガネも外してね」
と言うと、一瞬ためらいつつもあたしが彼の素顔に気付いていることを思い出したのか外してくれた。
内側の髪から切るために髪を上げると、日高の整った顔がハッキリ見えて来る。
「おお……」
思わず感嘆の声を上げてしまった。
整った顔をしているとは思っていたけれど、ちゃんと見ると予想以上だった。
「この顔で灯里に迫ってるの? わー心臓に悪いだろうね」
「……どういう感想だよそれ」
「だって、あんた顔だけで女寄ってきそうだもん。普通の女子高生じゃあ心臓爆発しそう」
ちょっと大げさに言うと、日高は「確かに寄ってくるけど……」と目を逸らした。
人の髪を切るようになってから、口うるさいくらいお父さんから言われた言葉だ。
「日高、座って」
促して座らせると、カットクロスを掛ける。
「メガネも外してね」
と言うと、一瞬ためらいつつもあたしが彼の素顔に気付いていることを思い出したのか外してくれた。
内側の髪から切るために髪を上げると、日高の整った顔がハッキリ見えて来る。
「おお……」
思わず感嘆の声を上げてしまった。
整った顔をしているとは思っていたけれど、ちゃんと見ると予想以上だった。
「この顔で灯里に迫ってるの? わー心臓に悪いだろうね」
「……どういう感想だよそれ」
「だって、あんた顔だけで女寄ってきそうだもん。普通の女子高生じゃあ心臓爆発しそう」
ちょっと大げさに言うと、日高は「確かに寄ってくるけど……」と目を逸らした。